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土曜の夜に送られてきたその一言。「時間ある?」って、私の予定を聞いてるのか、自分の予定を伝えたいのか。既読スルーしてスマホを置いた。(なんでこんなこと言われなきゃいけないんだろう)
結婚して8年。子どもが小学校に上がってから、夫との距離がおかしい。会話といえば「ご飯なに」「洗濯物干しといて」「今週末、時間ある?」こんなやり取りだけ。向こうは私のイライラに気づいてない。というか、気にしたくないんだろう。
好きで結婚したはずなのに、いつの間にか「家族」という鎧を着た他人同士になっている気がする。離婚も頭をよぎった。でも親に言えるか。子どもはどうするか。経済的にやっていけるのか。考えれば考えるほど、ベッドに横たわって天井を見つめるだけの夜が増えた。
そんなある日、久しぶりに会った女友達に「最近どう?」と聞かれて、ついポロッと「なんか、もう冷めたかも」と言ってしまった。彼女は驚かずに「あーわかるわかる。私も昔、それで占いに行ったわ」と言った。
最初は「占い?はぁ?」と思った。私、占いなんて信じてなかった。テレビの星占いは「ラッキーカラーは赤」程度で流すタイプ。(でもね、そう思う自分がいたのも事実。)
その友達は続けた。「あのさ、話聞いてもらうだけでもスッとするよ。特に当たってるかどうかより、自分のこと言語化してくれる人がいるってだけで楽になる。ヴェルニって電話占いがあるんだけど、一回試してみなよ」
半信半疑でスマホを開いた。サイトを見ると「初回10分無料」の文字。これなら騙されてもダメージ少ないか、と思って申し込んだ。名前も本名じゃないし、住所も出さないし、まあいっかと。
初めての電話占い、相手は女性の占い師さん。年齢は40代後半くらいだろうか。声が落ち着いていた。まず「今、どんなことで悩んでるんですか?」と聞かれた。たどたどしく話す私に、彼女は相槌を打ちながら「なるほどね」とだけ言う。アドバイスも慰めもない。(えっ、これで終わり?)と思ったそのとき、「たぶんね、奥さん、あなたのことは好きなんだけど、今は自分のことで精一杯なんだよ」とズバッと言われた。
は?自分のことで精一杯?私の方が子どものこと、家のこと、パートのこと、全部やってるのに。
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でも次の一言で心臓をギュッと掴まれた。「あなたもね、彼に『わかってほしい』って思う気持ちの裏で、自分が彼の気持ちをわかろうとしてなかったんじゃない?」
(そうかもしれない。)確かに私は「冷めた、冷めた」と言いながら、彼が何を考えてるのか聞こうとしなかった。聞くのが怖かった。聞いて「好きじゃない」って言われたら終わるのが嫌だった。
10分の無料枠が終わったあと、追加で20分お願いした。料金は確か3,000円ちょっと。お昼のランチ一回分だと思えば安い。(それにしても、あの占い師の言葉はずっと頭に残った。)
次の日、勇気を出して夫にLINEした。「週末の『時間ある?』って何か用?」すると返事がきた。「いや、久しぶりに二人で飯行かない?って思って。子ども、実家預けられないかと思ってさ。」
なんだ、そういうことか。
週末、子どもを母に預けて久しぶりに夫と外食した。最初は気まずかったけど、少し酒が入ったら、お互い「最近なんかギスギスしてたね」「疲れてたんだよ」「俺も余裕なかった」って素直に言い合えた。全部解決したわけじゃない。でも、あの占い師の一言がなかったら「時間ある?」にまたムカついて終わってた。
あれから半年。まだお互いのペースは掴めないけど、焦らなくなった。無理に仲良くしなくても、たまにご飯に行って、たまに喧嘩して、それでいいんだと思えるようになった。(あのとき、話を聞いてもらってよかった。)
もし今、同じように「このままでいいのかな」「好きだけど疲れた」と感じているなら、一度話を聞いてもらうのも悪くない。私みたいに、電話一本で済むなら楽だし。高いかどうかは人によるけど、私は3000円のランチより価値があったと思ってる。
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